不気味すぎる未解決事件|エリサ・ラム事件

未解決事件

科学捜査などの発展に伴い、昨今の事件解決の確率は飛躍的に向上した。一方で、今なお未解決のまま事件が迷宮入りする事例も少なからず存在する。中でも、事件なのか事故なのかが特定できないケースは、捜査が難航することが多い。また、そういったケースほど、不可解な点や不気味なものが多く、人々の興味や関心を引き付けるものだ。今回紹介する事件は、数ある不気味な未解決事件の中でも、特に恐ろしいものである。もちろん、犯人はおろか、真相も一切不明のままだ。

2013年2月21日火曜日の朝。ロサンゼルスのダウンタウンにある有名な老舗ホテル「セシル」で宿泊していた客が、何やら騒ぎ始めた。どうやら、朝から水道の調子が悪く、蛇口を捻っても、チョロチョロとしか水が出ないというのだ。これでは、顔を洗うことはおろか、歯磨きすらまともに出来ない。宿泊客からクレームを受けたホテルの従業員は、すぐに水道業者を呼び、点検してもらうことに。呼び出された作業員が、さっそく屋上の貯水槽を点検したところ、4つある巨大なタンクの1つから、若い女性の腐乱死体を発見した。

通報を受けたロス市警は、遺体の身元が、3週間前にホテル内で行方不明になった、旅行中の中国系カナダ人女子学生エリサ・ラム(当時21歳)であると断定した。

コロンビア大学の学生だった彼女は、カナダから南カリフォルニアのサンタクルスに向かう途中だった。しかし、公共機関を利用しながら目的地へと向かっていた彼女が、なぜ事件当時、現場となったホテルに宿泊していたかは一切謎であった。

事件発生当初、警察は事故の線で捜査を進めていた。ところが、すぐにその説は綻びを見せ始める。遺体の発見されたタンクのある屋上へは、従業員専用ドアを抜け、そこから非常用階段を使わなければ上がることができない。つまり、初見の一般客が、ふらっと迷い込めるような場所ではなかったのだ。万に一つ、彼女が何らかの理由で屋上に訪れたとしても、巨大なタンクに登るには、梯子をかける必要があった。更に、タンク内に侵入するには、タンクの蓋を開けなければならないのだが、おおよそ小柄な女性が一人で持ち上げられるような重さではなかった。

後に、ロス市警が発表した内容では、「午後になって、彼女の体を取り出すために、24人の消防員が動員された。4つの貯水タンクは密に並んでいる上に、蓋は小さく、タンクの一部を切断する必要があった。」と、いかにタンク内に侵入するのが難しいかを語っている。

一方で、他殺説を仄めかすような証言も寄せられている。

事件当時、被害者の下の階に止まっていた老人(89歳)の証言である。「行方不明になった夜は、上の階から、これまで一度も聞いたことのない、激しい物音が聞こえてきました」。更に、その老人によると、事件の夜、配水管の故障で、ホテルのフロアに水が溢れ出したという。

そして、この事件の最も恐ろしいのが、事件の夜に、ホテル内のエレベーターで撮影された、防犯カメラの映像である。映像には、エレベーターの隅に身を隠し、誰かから逃げている様な被害者の姿が映し出されていた。

エレベーター内から、何度も廊下の様子を伺い、何かに怯えているような様子や、誰かと会話しているような様子が映っていたのだ。何者かに狙われているような行動にも見えるが、ホテルの従業員によれば、彼女が誰かと一緒にいるところを見たことがないという。

もちろん、映像に映っているのは彼女一人で、他の人物は一切映っていない。やがて、彼女は廊下へと走り去るのだが、無人になったエレベーターは、勝手に動き出し、誰もいない階層に止まっては開きを繰り返していた。結局、犯人はもちろん、事件なのか事故なのかも不明なまま、迷宮入りとなってしまう。

これだけでも十分に恐ろしい話なのだが、実はこの事件には、もう一つの顔がある。それが、現場となった老舗ホテル「セシル」の呪われた歴史である。

実は「セシル」は、これまでに何度も凶悪事件の舞台となった、知る人ぞ知る、いわくつきのホテルなのだ。

最初の事件が発生したのは1964年。一人の老婆が、ホテルの一室で遺体となって発見された。死因はおろか、事件なのか事故なのかも未だに解明されていない。

そして、このホテルを一躍有名にしたのが、1980年代に発生した凶悪事件である。当時「夜のストーカー」と呼ばれ、ロサンゼルスを恐怖のどん底に陥れた連続殺人犯、リチャード・ラミレスが起こした事件だ。彼は、セシル内で13人もの人々を殺害し、11人もの女性に乱暴した。

その後も、オーストリア出身の連続殺人犯、ジャック・ウンターヴェーガーがホテル内で、3人の若い女性を殺害するなど、数々の凶悪犯罪がこの「セシル」で発生している。

偶然と言えば偶然なのだろうが、全くの無関係とも思えない、と考えてしまうのは、ミステリー小説の読みすぎだろうか。まぁ、ほとんど読まないのだが。

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