ベテラン捜査員に「鬼畜」と言わしめた犯人の供述|松戸女子大生殺害事件

日本の事件

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ベテラン捜査員に「鬼畜」と言わしめた竪山辰美|松戸女子大生殺害放火事件

2009年10月22日、千葉県松戸市のマンション2階から、火災が発生し、焼け跡から、この部屋に住む千葉大学園芸学部4年の女子大生が遺体で発見された。

司法解剖の結果、遺体に刃物による刺し傷があったため、警察は殺人事件と断定し、捜査を開始した。その結果、一人の男が容疑者として浮上する。事件発生直後に、ATMから被害者のカードで現金2万円を引き出す男の姿が、防犯カメラに映っていたのだ。

警察はすぐに防犯カメラの映像を公開し、情報提供を呼び掛けた。しかし、事件は思わぬ形で解決することになる。別件で逮捕されていた男が、防犯カメラの映像は自分であると自供したのだ。男の名前は「竪山辰美」、当時48歳の薄毛の中年男性だった。

竪山は、あっさりと女子大生殺害を認め、事件の経緯を語り始めた。ところが、竪山の口から出てきたのは、ベテラン捜査員も驚くような驚愕の内容だった。

「目の前で、あの子が自分から服を脱ぎ始めたんですよ。」

明らかな嘘の供述に、取り調べにあたった捜査員は怒りを露わにし、続けざまに問いただす。

「では、なぜ刺したんだ。」

「私も死にたいと言われたんでね。私を刺して、あんたも死ねばいいと・・・。」

悪びれた様子もなく、さも真実かのようにそう語る竪山を前に、その場にいた捜査員たちは、怒りのあまり吐き気を催したという。

被害者から行為を求め、挙句の果てには死にたがっていた、などと語る竪山に捜査官は「まるで鬼畜じゃないか」と吐き捨てた。

竪山は、殺人こそ初めてだったものの、その犯罪歴はまさに鬼畜そのものだった。

傷害や詐欺などの罪で少年院に入ったのを皮切りに、20歳で窃盗、23歳の時には、車に乗り込もうとする女性を押し込み、「殺すぞ」と脅し、自らの部屋に連れ込み乱暴。現金23000円と通帳、カードなどを奪った罪で、懲役7年の実刑判決を受けた。出所後も、更生の様子は全く見られず、41歳の時に、またしても強盗の罪で逮捕、刑務所へと送られた。その後、48歳で出所した竪山は、そのわずか2か月後に女子大生を殺害したのだ。これだけでなく、竪山は出所から逮捕までのわずか2か月の間に、9件もの強盗事件を起こしている。これらは、あくまで発覚した事件のみの話であり、被害者が泣き寝入りしたものを考慮すると、実際にはもっと多いとみられている。馬鹿に付ける薬がないとは、まさにこのことである。

2011年6月に開かれた裁判員裁判では「犯行態様は執拗で冷酷非情、結果も重大である。出所後も数多くの犯罪を重ねており、被告の更生の可能性は著しく低い。また、死亡した被害者が1人であっても、極刑を回避する決定的な理由にならない」と、検察側の求刑通り極刑が言い渡された。
ところが、弁護側が不服とし即日控訴。

2013年10月に開かれた裁判では、「計画性が無く、1人殺害の強盗殺人事件で死刑となった例が無い」という理由により、一審の判決は破棄され、竪山に無期懲役が言い渡された。わざわざ時間を割いて裁判員裁判に参加した一般の方々の貴重な意見が、ひたすら六法全書と睨めっこしてきた、一流のプロによって覆される格好となった。もちろん皮肉である。

そして、この事件にはもう1つの側面がある。それが「マスコミの報道の在り方」だ。被害者は、大学に通う一方で、水商売のアルバイトをしていた。その影響もあってか、マスコミ各社は、「夢は農家・夜はキャバ嬢・千葉大学生2つの顔」、や、「彼氏と別れたばかりで殺された美人女子大生。キャバクラ勤めの稼ぎ方」など、本来の在り方とは外れた報道をしていた。憤りを通り越して、呆れてモノも言えない。

また、元警察幹部の男は、「被害者は全裸で抵抗した形跡も無く、遺体には布団がかけられていた。さらに放火などという作業もしており、男女のもつれによる、顔見知りの犯行である可能性が高い」などと、的外れな見解を示し、捜査を混乱させたという。実際には、被害女性と竪山の間に面識はなく、自分勝手で身勝手な、行き当たりばったりな犯行だった。実に素晴らしい刑事の勘である。

愛する我が子の命が奪われ、あまつさえ、彼女にも非があったとも取れるような報道をされた被害者遺族の心痛は、どれほどのものだっただろうか。

事件発覚後、被害者の父親は、最愛の娘を失った心境を綴った手記を発表した。

「友花里ちゃん、守ってやれなくてごめんね。司法解剖痛かったろうね。よく頑張ったね。幼い頃から頑張って、頑張って、最後の力を振り絞って頑張ったから、犯人は絶対に捕まるよ。」

「父さん、弱虫だけど、警察の人は悔し涙を流しながら頑張ってくれているから、犯人は捕まるよ。立派な父さんでなくてごめんね。友花里ちゃんは優しくて最高の娘です。明日やっと、友花里ちゃんは父さんと母さんのところへ帰ってくるんだね。」

「昨日は母さんの誕生日でした。いつもなら、友花里ちゃんも一緒にお祝いしてくれるのに・・・。父さん、友花里ちゃんの代わりに母さんにケーキを届けました。こんなに悲しい誕生日になるなんて考えてもみませんでした。父さんも母さんも、毎日泣いています。誰がこんな惨いことをしたのか。友花里ちゃん、教えて。」

「それから、警察の皆さまには、愛娘を奪われた悲しみから、心にもない酷いことを言ってしまいました。皆さまが娘の為に汗を流し、頑張ってくれていることは痛いほど分かっています。私たち夫婦から最愛の娘を奪った犯人を、絶対に捕まえて下さい、お願い致します。」

「最後に、犯人に対して言わせて頂きます。私たちは絶対にあなたを許しません。なぜ私たちの娘に、こんな酷いことをしたのか。本当に悔しい。殺してやりたい気持ちです。」

裁判員裁判で下された判決が、前例が無いというだけで覆されてよいものなのか。事件の起きた経緯や動機、状況などを元に、刑罰を決めるのが裁判官の仕事ではないのか。過去の判例を重視するのであれば、裁判官をわざわざ人間が務める必要があるのだろうか。未来ある若者の命が奪われることが、どれほど罪深いことなのかをしっかりと考えてもらいたい。

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